飯田和子 北島恵美 高齢者ホームでドラムサークル

飯田和子 北島恵美 高齢者ホームでドラムサークル

2019年7月から高齢者ホームでドラムサークルをしています。今日は近隣の2ホームからも参加され、予想を上回り30人以上の方々が集まりました。
 
はじめて参加された方の中には、「俺は病人なんだから、こんな太鼓いらないよ」とか、前に太鼓を運んでいくと、あからさまに拒否するご婦人とかがいらっしゃいました。
 
が、季節の歌を歌い始めると、少しずつ和みます。
富士山・冬景色・一月一日・越天楽
そしてドラムサークル。リズムがみんなをぐんぐん盛り上げ、一体感が生まれます。
 
カウベルで一人一人が自分のリズムを自由に鳴らし皆がそれを真似して応答する場面。(ドラムサークルでは、「エコー」と呼びます。)円になって丸く座っている一人ずつが全員順番に。
 
スティックを持つのもやっとなのに、私が下から当てて鳴らしたカウベルの音に刺激されて自分でスティックを振りだします!その瞬間、感動します。私もケアする職員さんも、みんなも。そしてご本人も!涙がうっすらのダンナさん。
 
どんなに時間が掛かっても、みんながゆったり祈るように待っている温かい空間
 
音源「アメリカンパトロール」「カリンカ」にアクセント手法で太鼓叩いてのアンサンブルも、楽しかったなあ!その後のトーンチャイムは、ペンタトニックで「越天楽」!
 
最後は「ふるさと」を歌った後で、きょう、なんとなんと101歳のお誕生日を迎えるYさんのお祝い
 
Happy Birthday to You!
 
素晴らしいです!お元気に太鼓叩き、カウベル鳴らしていらした方が101歳とは!
 
いつまでも、みなさん、余韻に浸ってお帰り支度なさらないので、アンコール
「上を向いて歩こう」
太鼓ならしながら歌います!
 
そうしたら、傾眠ばかりで目を閉じていた車椅子のおばあちゃまが、手に握っていたスズをビートに合わせて鳴らし始めたのです。職員さんが驚いて仲間に目で合図おくり、その変化に拍手しました!盛り上がり、あったかい心に満たされた午後でした。
(飯田和子)
 
 
1月15日は飯田さんのサポートに入らせていただきました。
 
利用者の皆さんが集まり始めると、飯田さんを見て、「この方ね、ピアノがとても上手なのよ」っと周りの方にお話する声!他にも、飯田さんの姿を認めると、表情が和らぐ方々!認知症ではあるけれど、覚えてくれています。
 
今回は、ドラムサークルが初めてで、私がタイコを持っていくと拒む方もいらっしゃいましたが、飯田さんが声掛けすると、頑なだった方も受け入れるから、すごい。
「やった事ないわ、できないわ」
高齢者の方にとっては、初めての事は不安になるんだなぁ。
 
「大丈夫ですよ!こんな風に、手でポンポン叩けば音がなりますよ!」っと、タイコを近づけると、手を伸ばして鳴らしてみるご婦人。
ベースドラムの黒い打面に興味のある方は、自分のタイコと叩き比べて、音の違いを面白がっている!
 
「あら、あなた、これ作ったの?」っと、バスドラのマレットにも興味が。
「いいえ、これは売っているんですよ!」と握らせてあげると
「あら、あなたの手は温かいのね」と言ってギュッと握手。
私はこんな瞬間も好きだなぁ。心がニコっとなる。
 
他にも、1人ずつやるカウベルのエコーは楽しみ。?
個人が輝く瞬間!
 
同じリズムを繰り返す方、バリエーションを加える方、細かく叩く方、堂々とした音、繊細な音など、こんなに色々な表情がある。
 
中でも毎回好きなのは、殆ど眠っているような状態の方の番のとき。
辛うじてスティックを握らせると、暫く反応無し。介護士さんが手を持って代行しようとするのを待ってもらい、飯田さんがカウベルを当てる。
 
すると、その音に覚醒したかの様に、自分からカウベルを叩く。何度も叩く。
リズムが発せられた事に介護士さんが驚くという場面。
周りの皆さんも、ザワつく!
温かく見守り、そのリズムをエコーする皆さん。優しい時間。
 
拒否ぎみだった方々も、歌は積極的に歌い、音源に合わせてのアクセントノート!
場が一体感で満たされました。
飯田さん、今回もマジックを観せていただき、ありがとうございました。
(北島 恵美 サブ)